遺産分割協議を行う際の注意点!遺産分割協議書の記載方法から複雑な相続まで解説。
遺産分割協議を行ったうえで遺産分割協議書を作成し、その協議書に従って相続財産を各相続人が相続していく。
これが遺産分割協議の後の遺産相続の流れになります。
しかし、この遺産分割協議を中途半端、不完全な形で行ってしまうと後々思いがけない不都合やトラブルに見舞われる可能性があります。
そこで、今回は遺産分割協議および遺産分割協議書の作成において注意しなくてはならない点を解説してまります。
遺産分割協議の注意点
遺産分割協議の際の注意点は非常に多岐に渡ります。
ここでは、一般的な注意事項から複雑な相続の場合の遺産分割協議まで包括的に解説していきます。
こうした注意点を把握して、将来に問題を残さない遺産相続を達成しましょう。
必ず相続人全員で行う。
遺産分割協議は必ず相続人全員で行うことが絶対条件といっても過言ではありません。
一部の相続人のみで遺産分割協議を行った場合、後に遺産分割協議に参加できなかった相続人が不満を持ち裁判に発展するというケースも少なくありません。
相続人全員が遺産分割協議に参加し、必ず全員の合意が取れている状態で遺産分割協議書を作成するようにしましょう。
ちなみに、必ずしも一堂に会して話し合う必要はなく、全員が合意している内容の協議書を郵送などの持ち回りで署名・押印するという形でも構いません。
「誰が」「どの財産を」「どれだけ取得するか」を明確に記載する。
遺産分割協議書を作成する際には、相続財産の分割について可能な限りもっとも正確な形で書く必要があります。
これも先ほどの「全員参加」と同様に、後に不満を持った相続人や遺産分割協議書の不備に付け込んだ相続人によりトラブルが発生することを避けるための措置になります。
そのため、遺産分割協議書にはあいまいな表現を避け、相続財産に関して「誰が」「どの財産を」「どれだけ取得するか」を明確に記載しましょう。
具体的には、「兄が預貯金を相続する」というような書き方は避けましょう。
この場合、「被相続人の兄なのか?被相続人の二人の子供のうちの兄なのか?」や「すべての預貯金なのか?それとも普通預金のみで定期預金は含まないのか?」など様々な曖昧さが発生してしまい後にトラブルになる可能性があります。
トラブルを避けるためにも、記載する際には「相続人A(フルネーム)が、被相続人の預貯金のうちB銀行の普通預金およびC銀行の定期預金をすべて相続する。既におろしてあった現金については相続しないものとする。」というような形で正確に記載しましょう。
後日発見された遺産を、誰が取得するのかを決めておく
遺産分割協議書を作成する際には、後日発見された遺産を誰が取得するかを予め決めておくことが理想的です。
仮に遺産に記載漏れがあり後に誰も知らなかった遺産などが出てきた場合にも、改めて遺産分割協議書を作成したり遺産分割協議を行う必要がなくなるため、予め誰がその遺産を受け取るかを決めておくことが望ましいのです。
ただし、「後日発見された遺産については改めて協議をする」、という記載方法も選択肢の一つになります。
相続人の数が少ない場合や、記載漏れが発生した遺産の種類や評価額によっては遺産分割協議を再度行いたいと感じている場合には、このような形で後に再度協議を行うという形にすることができます。
いずれにしても、記載漏れの遺産についての処遇を予め決めておくことが重要になります。
不動産の表示は、所在や地番、家屋番号など、登記事項証明書の通りに記載する。
■預貯金などは、銀行名、支店名、預金の種類、口座番号なども細かく記載する。
■住所・氏名は、住民票、印鑑証明書通りに記載する。
■実印で押印し、印鑑証明書を添付する。
■協議書が複数ページにわたる場合は契印をする。
■協議書の部数は、相続人の人数分を作成する。
■相続人が未成年の場合は、法定代理人(通常は親権者)が遺産分割協議に参加するか、未成年者が成年に達するのを待ってから遺産分割協議をする。
■法定代理人自身も相続人である場合は、互いに利益が対立する(利益相反)ため、家庭裁判所に特別代理人の選任申立を行う(未成年者である相続人が複数いる場合は、それぞれ別の特別代理人が必要)。
■相続人に胎児がいる場合は、胎児が生まれてから作成する。(胎児も相続できるため)
■相続人の一人が分割前に相続分の譲渡をした場合は、遺産分割協議にはその譲り受けた者が参加します。
遺産分割協議の方法や遺産分割協議書の作り方を誤ると、やり直しになってしまうことがあります。不安な方は当事務所へお問い合わせください。
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この記事を担当した代表司法書士
アコード相続・遺言相談室
代表司法書士
近藤 誠
- 保有資格
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司法書士・簡裁訴訟代理認定司法書士
- 専門分野
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遺言、家族信託、M&A、生前贈与、不動産有効活用等の生前対策
- 経歴
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司法書士法人アコードの代表を勤める。20年を超える豊富な経験、相続の相談件数6000件以上の実績から相談者からの信頼も厚い。