相続した土地に古い抵当権が設定されていたケース
今回紹介するのは、相続した土地に大正時代の古い抵当権が登記されていたケースになります。
大正時代ということもあり、どのような経緯で抵当権が設定されたのか、誰がその権利を持っているのか等がすべてわからないという状態でした。
抵当権を持っている人も亡くなっている今回のような場合に、無事に抵当権を外し売却を行える状態に更新した事例になります。
ご相談の状況
父親から長野県の土地を相続した方から相続登記のご依頼いただきました。
そこで、相続する不動産の登記記録を確認したところ、大正時代の古い抵当権が登記されていることがわかりました。
抵当権は曾祖父の代に登記されたもので、抵当権の名義も当時の大正時代の個人の名前となっていました。
土地はいずれ売却したいのでこの機会に抵当権を抹消したいものの、抵当権が登記された事情や名義人のことは大正時代ということもあり全くわからないとのことでした。
当事務所からのご提案&お手伝い
地方の土地の相続登記をご依頼いただいた際、このような古い抵当権が残っていることがあります。
一般的には、抵当権を抹消するには抵当権の名義人と所有者が共同で登記の手続きを行う必要があります。
しかしこのようなケースでは、抵当権の名義人は既に亡くなられている場合が多く、住所地も「〇〇村〇〇屋敷」等、現在では存在しない所在である場合があります。
正規の手順で考えると、
①生死不明の抵当権者を捜索し死亡していることを確定
②さらに、その方の相続人を探し出し抵当権を相続しているかを確認
③相続していた場合には、その方と共同で抵当権の抹消
という形になります。
しかし、この形式ではあまりに時間と労力がかかりすぎてしまうのも事実です。
そこで弊所では、抵当権者の行方がわからずまた債務が残っているのかも不明な抵当権(このような抵当権を「休眠担保権」と呼びます)を、現在の所有者が「単独で」抹消する手続きをご提案いたしました。
結果
休眠担保権の抹消手続きには下記の要件があります。
・抵当権者の行方不明
・債権の弁済期から20年以上経過している
・元本、利息、損害金の全額を供託する
上記の要件を満たしているかの確認を私どもでサポートしたところ、要件を満たしていることがわかりました。
休眠担保権の抹消のお手続きも当事務所でサポートし無事過去の古い抵当権を解除することができました。
無事抵当権も外れ、相続も完了したということで、今後は不動産を売却されるということでした。
専門家からのアドバイス
今回は不動産登記を行って不動産の売却を行おうと思ったら思わぬ形でトラブルが発生したというケースになります。
不動産の権利というものは他の資産に比べて相対的に大きな価値を持つことが多いため、その分相続の際に思わぬ形でトラブルや不都合が発生することがあります。
特に不動産の相続登記の際にトラブルになりやすいのが以下のようなケースになります。
・数次相続が発生している場合
・共有名義になっている場合
・抵当権等で権利関係が複雑になっている場合
・不動産以外に遺産として残された財産が少ない場合
このような状況にあり、不動産を相続登記しようと考えている方は一度司法書士のような相続の専門家に相談してみることをおすすめいたします。
相続・遺言の無料相談実施中!
今回のような不動産の相続登記や抵当権の抹消をはじめとし、相続に関する相談に関して当事務所では無料相談を実施しております。
当事務所の司法書士が親切丁寧にお話をお伺いして、最適なご提案をさせていただきます。
無料相談やその他のお問い合わせ番号は0120-600-719になります。
無料相談から解決までの流れをご覧になりたい方は以下ページをご覧ください。
電話相談・テレビ電話相談相談にも対応!
当事務所では、ご自宅での電話相談やテレビ相談も行っております。
コロナウイルスの影響で外出を控えられていらっしゃる方や、事務所まで遠くて行きづらいという方も、是非お気軽にご相談ください。
この記事を担当した代表司法書士
アコード相続・遺言相談室
代表司法書士
近藤 誠
- 保有資格
-
司法書士・簡裁訴訟代理認定司法書士
- 専門分野
-
遺言、家族信託、M&A、生前贈与、不動産有効活用等の生前対策
- 経歴
-
司法書士法人アコードの代表を勤める。20年を超える豊富な経験、相続の相談件数6000件以上の実績から相談者からの信頼も厚い。