相続不動産に抵当権?抵当権有無の判断は?どうすればいい?司法書士が解説!
相続した財産に抵当権が!どう対処すればいい?
抵当権とは、住宅ローンを契約する際、もし住宅ローンが支払えなくなった場合に備え、債権者が住宅を競売にかけて売却した代金をローンに充てることができる担保権とも呼ばれる権利です。 この権利は不動産などの物につくことになるので、抵当権がついている不動産を相続したときには、抵当権を実行される不動産を受け継ぐことになります。抵当権がついている物が遺産に含まれている場合の相続の処理について知っておきましょう。
相続した不動産に抵当権があるかを判断する方法は?
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抵当権があるかどうかを確認する方法
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登記簿謄本(登記事項証明書)を取得する
相続した不動産に関する権利はすべて不動産登記簿謄本に記載されています。 コンピューター化されているものについては「不動産登記事項全部証明書」というものを取り寄せます。 取り寄せは法務局で行いますが、郵送・オンラインでの申請も可能となっています。
登記簿謄本(登記事項証明書)の乙区欄を確認する
この登記簿には、表題部・甲区・乙区という三つの区分があります。 表題部には、不動産の所在や形状についての情報が記載されています。甲区には、所有権に関する情報が記載されています。乙区には、所有権以外の権利に関する情報が記載されています。抵当権の有無を確認するためには乙区の欄を確認します。
現在も権利として有効なのであればそのまま記載されていますし、完済しているなどで権利が消滅している場合には、その旨を登記に反映していれば消滅している旨の記載があります。 注意が必要なのは、あくまでこれは登記簿上の記載であり、もし元になっている債務を完済しているような場合には、抵当権も同時に権利としては消えることになるので、仮に登記簿に記載されていたとしても、抵当権自体はない、という可能性もあります。
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抵当権付きの不動産を相続した場合の対処法
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抵当権を付ける原因になった借金などを完済しているかを確認する
まず抵当権はその性質として、抵当権をつけた要因となる債権が消滅していると一緒に消えるという性質をもっています。 つまり、住宅ローンを完済していると、いくら不動産登記簿上に抵当権が載っていたとしても、それは消去できるものになります。 まずは、原因となっている債権の状態をきちんと把握しましょう。
借金を完済していたら抵当権の登記を抹消する
住宅ローンや不動産担保ローン、その他債権を完済しているような場合には、抵当権の抹消を行います。 たとえば、住宅ローンの場合には、弁済済証・登記識別情報などの書類を債務者に送ることになります。 もし、被相続人がまだ受け取っていない場合には、債権者に請求をします。 その上で、抵当権抹消のための登記申請書を作成して、添付書類とともに法務局に提出をして行います。
借金を完済していなかったとしても、抵当権をつけた原因が住宅ローンだった場合
借金を完済していなかった場合には、不動産と同時に借金も相続します。 ただ、抵当権を設定した元になる債権が住宅ローンである場合は、通称「団信(だんしん)」、正式名称を「団体信用保険」というものに加入している可能性があります。 この保険に加入していると、債務者が死亡したときに、保険会社から債権者に残った債務が返済されます。 そのため、住宅ローンが完済された状態になりますので、住宅ローン締結時の書類を確認しましょう。
借金を完済しておらず、抵当権を付けた原因が住宅ローンでなかった場合
住宅ローン以外の場合には、債務と抵当権の負担つき不動産があるという状態になります。 この場合、不動産を相続しても仕方ないため相続放棄の検討が可能です。不動産を手放したくない場合には、限定承認・単純承認をすることになります。そして、不動産についての遺産分割協議を行います。
まとめ
住宅ローンなど、相続した不動産には抵当権という権利がついている場合があります。 自宅などの不動産をどのようにしたいかなどの方針に迷うときは、相続の専門家に相談してみましょう。
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この記事を担当した代表司法書士
アコード相続・遺言相談室
代表司法書士
近藤 誠
- 保有資格
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司法書士・簡裁訴訟代理認定司法書士
- 専門分野
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遺言、家族信託、M&A、生前贈与、不動産有効活用等の生前対策
- 経歴
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司法書士法人アコードの代表を勤める。20年を超える豊富な経験、相続の相談件数6000件以上の実績から相談者からの信頼も厚い。